Yu-Run記

郵趣(切手・風景印など)とランニング・マラソンのブログです

【JUMP】1/15宮の森・W杯女子ジャンプ、伊藤有希選手2連勝ならず

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2017年1月15日、宮の森シャンツェにてノルディックスキーのFISワールドカップの女子ジャンプレディース2016-2017シーズン第8戦が行われ、昨日初優勝の伊藤有希選手は2位。W杯通算50勝を狙った高梨選手は4位と表彰台を逃し、日本人選手の2日連続優勝はなりませんでした。

1位 LUNDBY Maren(ノルウェー)248.5点(97.0m,100.0m)
2位 伊藤有希(日本/土屋ホーム)236.3点(97.0m,96.5m)
3位 ALTHAUS Katharina(ドイツ)231.4点(94.5m,93.5m)
4位 高梨沙羅(日本/クラレ)217.4点(93.0m,89.0m)

13位 岩渕香里(日本/北野建設)185.3点(88.0m,81.5m)
19位 勢藤有香(日本/北海道メディカルスポーツ専門学校)176.5点(84.0m,78.0m)
31位 岩佐明香(日本/日大)78.9点(76.5m)
34位 茂野美咲(日本/CHINTAI)77.4点(76.0m)
(敬称略、上位3人とそれ以外の日本人選手の成績を掲載)

この日の試技は高梨選手が90.0mと伊藤選手の88.5mを上回ったものの、いつもの大ジャンプとはならじ。試技での最長不倒は昨日3位のマーレン・ルンビー選手(ノルウェー)の91.0m。
昨日の宮の森は気温マイナス9度と極寒状況でしたが、この日は気温マイナス5度と多少は寒さが和らぎ、しっかり応援できる気象条件。
スタート前は向かい風が吹いていた状況もあり、スタートゲートが試技より1m下げられたのですが、風が止んでどの選手飛距離を伸ばせない状況になったため、ゲートが1段(50cm)上がる(ポイントから3.5点減点)。途中でゆるやかな向かい風がまた吹き、残り10人目で94mの大ジャンプが出たところで、再びゲートが1段下がる。
試技で最長不倒のマーレン・ルンビー選手がゆるやかな向かい風に乗り、97.0mの大ジャンプ、この時点でのトップ。
優勝の伊藤選手はルンビー選手と同じ飛距離。飛計点は1点上回るも、向かい風がやや強く、その減点が4点近く上回ったため、2.9点差で2位。
W杯総合トップの高梨選手はゆるやかな向かい風をもらいながら、この日も伸びを欠いて93mにとどまり4位。トップとは9.7点差で約5m差。2位・伊藤選手とも6.8点差で約3.5m差と札幌でのW杯通算50勝はこの時点で非常に厳しい状況。
1本目が終わったところで雪が降り出し、視界も悪くなって照明が点灯される状況に。ただし、ネットで気象レーダーを確認するとあと20~30分で雪は降り止む見通し。
ラスト4人となり、まずは高梨選手が飛ぶも、K点手前で着地。89mにとどまり、この時点でトップに立つも、残り3人の状況を考えると優勝はおろか、表彰台の3位以内もほぼ絶望。そして1本目3位の選手が飛び、高梨選手の点を上回った瞬間、この日の高梨選手のW杯通算50勝達成はならず。
1本目2位の伊藤選手はゆるやかな向かい風に乗り、96.5mまで飛距離を伸ばすも、着地した直後にバランスを崩して、きちんとしたテレマーク姿勢をとれず、飛計点が減点され、手をバタンと下して悔しがる素振り。
1本目トップのルンビー選手は向かい風にも乗り、100mのW杯ヒルレコードを50cm更新。それだけの大ジャンプにもかかわらず、テレマークをしっかり決め、飛計点は5人中4人が18.5点の高得点。2位伊藤選手と12.2点差(6m相当)の大差で今シーズン・通算とも2勝目です。
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高梨選手は調子というより、地元で50勝したいという気持ちが強すぎて、自分のジャンプに集中できなかったかもしれません。ジャンプ競技はちょっとしたズレでもで飛距離に大きく影響するもので、いかに競技に集中できるかがカギ。今年・2017年は世界選手権イヤーですが、2年前の世界選手権の成績は奇しくも今日の成績と同じ、伊藤選手2位、高梨選手4位という結果。高梨選手は2014年のソチ五輪でも4位と五輪・世界選手権ではまだメダルに届いていない状況。今年の世界選手権ではもちろん金メダルを狙うところでしょうが、金メダルにこだわりすぎれば「2度あることは3度ある」状況になりかねないかもしれません。ジャンプ競技に限らず、スポーツの順位は相手次第で変わるもので、まずは自分のベストのジャンプをすることに専念して、順位はあとからついてくる、くらいの気持ちでやってほしいものです。
この日のルンビー選手の2本目のジャンプは100mでテレマークを決めた完璧なジャンプで、高梨選手が絶好調でも負けていたと思うくらいの内容。大舞台だとなおさらそういうことがよく起きるもの。逆にいえば、いつも以上のパフォーマンスが出るくらいでないとなかなか勝てないのが大舞台。ただし、まずはいつものパフォーマンスをコンスタントに出すことが重要なので、今回の2連戦の内容をきちんと分析して、自分の力をしっかり出せるような準備をしっかりしてほしいところですね。
少なくとも、今までのように高梨選手がダントツで勝つシーンはそうそうない、ということが伊藤選手、ルンビー選手の勝利で証明されたと思います。今回の宮の森が女子ジャンプ界における戦国時代の幕開けということになるかもしれませんね。